ぼりん

2PMのいろいろスキャンしたものを載せてきます

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ミュージカル INTERVIEWのこと

先日のミュージカル INTERVIEWを観に行ってきて、物語の面白さにはまってしまい今回は記録用に書いてみました。


物語の内容とチャンソンが演じたシンクレアを観た感想になります。

※ネタバレになるのでご注意ください。
※台本を買っていないため確認できず、間違っている部分があるかもしれないので、そのときはご指摘いただけるとありがたいです。





【人格】
○ジミー
新しい父親に似た気性の荒い人格。雨が大嫌い。
マットの中には部屋がたくさんあり、そこにいくつかの人格が住んでいて、ジミーはその人格たちを仕切り、住まわせる代わりに記憶をもらっている。

ジョアンにあなたは誰!?マットはどこなの!?と怯えられ、ユジン先生からもマットについて何度も何度も問いただされたシーンでは、二人に対してかなりの怒りを示していたので、ジミーはマットに対して劣等感に近いものを持っているのではないかと感じた。アンとウッディはジョアンの遊び相手だが、ジミーはジョアンに拒絶されているとなると誰からも相手にされていない人格なのではないか。
マットは田舎で俺は都会というような、マットを見下す発言もしている。
マットではなく俺を見ろ、マットではなく俺が主だと言いたいように感じた。

ユジン先生にマットのことを教える代わりに取引をしようと持ちかけるが、何が欲しいんだとの問いにコーヒーと答えるジミーにそんなんでいいの!?と思ってしまいました(笑)



○アン・ウッディ
人格に対して二卵性の双子というのは謎だし双子なのに4歳差の設定なのがまた更に謎だが、マットの中で同時に生まれた人格なので双子という言葉を使っているのではないかと。
ウッディはアンを慕っていて、アンはウッディの面倒をみているこの関係性とマットとジョアンと同じ4歳差なので幼少期のマットとジョアンがそのまま反映されているのではないかと思った。

アンはジョアンに対してかなりの恐怖心を持っていて、原因は大喧嘩らしいが具体的なことには触れていない。

ウッディは全ての痛みを受ける役割になっているため、新しい父親からの暴力は全てウッディが受けていることになる。
アンが自分の頬を叩くが、これはウッディに対して叩いていると言うシーンをみても、アンは痛みを感じていないように見えた。

ウッディが描いた絵は現実に起きてしまうから、変な絵を描かないようアンから注意されていたのに描いてしまったため、アンに初めて叩かれる。



○ノーネーム
感情がないのかというほど、冷静沈着。
人格の統制をとり、人格の入れ替えが可能な唯一の人格。
マットの記憶を遮断し、自殺を図ろうとするマットを止めている。






【人物】
○ユジン・キム先生
解離性障害専門医であり、心理学博士。
マットのために催眠治療を施す。
その催眠治療の中では、マットが書いたノートを元に作った『人形の死』の作家で、ベストセラー推理小説家という設定。

マットが多重人格というのは把握しているがどれだけの数の人格があるかは分かっておらず、唯一5日間の治療中毎回出てきたジミーのみ把握している。他の3つの人格は5回目で初めて出てきたようだった。



ジョア
マットの4歳上の姉。
父が交通事故で死んでから母は育児放棄になってしまったため、マットの世話をしなくてはいけなかった。
そして新しい父からの虐待に耐えられずマットを利用し守ってもらっていた。
マットとジョアンはお互いを支え合い1つになるしかなかった。
そしてそれは姉弟を超えた異常な愛に発展していく。

マットにとってジョアンは守ってあげないといけない存在で、女性として純粋に愛しているように感じたが、ジョアンは利用するためというのが根底にあって、マットとはまた別の愛だったように感じた。

この遊びをするときはアンでしょと言っているシーンやジミーに対してマットはどこにいったの!?と言っているシーンをみると、ジョアンはマットが多重人格だということを知っていたのではないか。
そこまではっきりとでなくても、マットはたまに全く違う人になるくらいには感じていたと思う。



○シンクレア
ジョアンの恋人。❌
↑私が恋人と思い込んでいただけで、シンクレアもジョアンを愛していたとは明言されていませんでした。訂正させていただきます。

ジミーによって殺される。
推理作家を目指していたブロンドのハンサムな青年。
説明ではマットが一番なりたかった人物とあるが、シンクレアの容姿や才能が羨ましくてというより、ジョアンに心から愛されていたから、自分もそうなりたかったからというように感じる。



○ジェイク
見せかけの恋人。
ジョアンを殺害したと冤罪をかけられる。

なぜ見せかけの恋人なのかは劇中触れなかったためあまり深く考えない方がいいのかもしれない。
ジョアンとマットの異様な関係を隠すためなのかと思ったがそれもしっくりこない。





【オフェーリア殺人事件】
5人の女性がワンピースを着せられバスタブで殺害されていた。

オフェーリア殺人犯、それはマットである。

10年前のジョアンの事件が世間から忘れ去られるのを恐れ犯行に及んだ。

通常ノンネームが入れ替わり止めることが出来るが、マットの意思が強いとコントロール出来ないのか、この事件に関しては止めることが出来ず、ノンネームが目を覚ますと女性が死んでいた。

マットは女性を殺害する度に自殺を図るが、ノンネームが入れ替わりそれを止める。



【10年前の事件】
ジョアンを殺害。

両親を殺害。

自宅に火をつける。

自殺しようと燃えている自宅に入ろうとするが
ノンネームが入れ替わり食い止める。

ノンネームがマットの記憶を遮断。

アンとウッディは花を摘みジョアンの死体を川へ流す。

ジミーはシンクレアを殺害し土の中に埋め、ジェイクの家にジョアンの服を置き、ジェイクを犯人に仕立てる。

ジョアンの死体から検出された精液と家にあった服が証拠となりジェイクが犯人として逮捕された。






2000年に起きたオフィリアー殺人事件の犯人としてマットが逮捕されたことから全ては始まる。


このミュージカルはユジン先生の事務所?書斎?で催眠治療を始めて5日目の話。


ベルが3回鳴ったらドアを叩き、小説家のアシスタントの面接にやってくるところから始まり、そうすれば真実が分かる。
そしてベルが3回鳴ると終わるという催眠治療をマットにかけている。


その面接にマットはシンクレアを名乗ってやってくる。
先生のことをユジン・キムと名前を変えた、本物のシンクレアだと思っているためだ。
その正体を暴こうとわざとシンクレアと名乗っているのだと思う。


マットはユジン先生に採用テストとして遺書を見て物語を作るよう言われる。
遺書はマットが四人房の中で自殺する前に書いたものだが、このときのマットは自分で書いたものだとは分かっていない。


【マットが作った物語】
母から愛されずにいる孤独な子供ウッディがいた。寂しいウッディは友達が欲しいと願った。するとノンネームが出てきて友達が出来たと喜んだ。だがいつも聞こえてくるのは母のため息ばかり。ノンネームがあのため息を止めてしまえばいい、あんな母がいなくなったっていいじゃないかと母を殺すようウッディをそそのかす。抱き締められたことのない寝ている母の胸に顔を埋め、初めて温もりを感じるも、台所から持ってきた包丁で母を刺し殺す。その後ノンネームを何度も呼ぶが何も返事がなく、ただただ沈黙の中やっと気づくのだ。ノンネームはウッディの中にいる怪物だったということを。


これはあくまでマットがその場で作った物語なだけで、実際母を殺害したのはジョアンを殺してしまった後なので現実に起こったことではないはず。


マットはジョアンを殺したときの記憶がないため、シンクレアにジョアンを殺されたと思い込んでいる。
そして『人形の死』に出てくる主人公アンとジョアンが酷似していたため、その本の作家であるユジン先生をシンクレアだと思い込んでる。
なぜそう思い込んでいるのかというと、マットの鞄に入ってるノートが『人形の死』の草案なのだが、そのノートにシンクレアの名前が書いてあるからだ。
本当はマットのノートでマットが書いたものだが、ジョアン殺害後マットの記憶を遮断した後にノーネームが名前をシンクレアに書き換えた。


先生にお前がシンクレアでジョアンを殺したんだと問い詰めているときにジョアンがやってくる。
ジョアンが出てきても先生には見えておらず、マットにしか見えていないように感じた。
ジョアンを抱き止めた手を見て、触れられていることに驚いているようだった。
目の前に死んだはずの大好きだったジョアンがいるわけで、また会えたうれしさと自分の手をすり抜けまたどこかにいってしまう後ろ姿を追いかけるがだめだった寂しさからか、涙ぐむマットの表情があまりに切なかった。


先生がシンクレアの死体の写真をマットに見せながらシンクレアは既に死んでいるし、そもそも自分の髪はブロンドではないからシンクレアではないと説明するが、マットは写真は作ったものだろと言い信じず、髪色なんて染めることが出来るから証拠にならないと。
このときにブロンドの髪色について、男に限らず愚かな女も好きな色だと言うのだが、シンクレアを好きになったジョアンのことも心のどこかで愚かだと思っていての発言なのかとも感じた。


全ての人格はマットの記憶を共有できる。
ジミーはマットが雨の日に産まれたことを知っていて、ノーネームは先生にマットが誕生したときからどういう環境で育ったのかを説明しているが、人格が生まれたのはジョアンが赤ちゃんだったマットに対してお前なんていなくなってしまえばいいのにと怒りを露にしたときからのようだったのだが、たぶんそこは気にしすぎない方がいいのかもしれない(笑)


シンクレアが殺されたのはマットの嫉妬心からだ。
シンクレアにとってジョアンがただの友達だったのか、愛し合っていたのかは明言されておらず分からない。
シンクレアがジョアンを愛してるかどうかが問題なのではなく、ジョアンに愛されていたというのがマットにとって問題だったのだろう。
ジョアンを殺してしまったきっかけになった人物で、シンクレアがいなければ、ジョアンはロンドンに行くなんて言い出さず自分の元から離れなかったはずだと。
ただ今回はシンクレアがきっかけになってしまったかもしれないが、遅かれ早かれジョアンはマットを裏切るだろうし、殺されてしまうのだろうけど。


ノーネームが先生にマットの話をしているときに、
ジョアンのマットを呼ぶ声に反応するマット。
ノーネームがマットを制御することが出来ず暴走し、マット・ノーネーム・ジミー・ウッディ・アンが次々と入れ替わる場面は圧巻だった。
表情から態度、声色までそれぞれの人格にぱっぱっぱっと瞬時に入れ替わっていくのだが、今誰になっているのかちゃんと分かる。
あの速さで全く別の人格の演技をするチャンソンに釘付けになってしまった。


このミュージカルの主人公であるマットが一番可哀想な存在で、先生が救ってあげたくなる気持ちがすごく分かる。
父からの虐待に逃げ出したくなるときもあったが、大好きなジョアンを守るために耐え続けたのに、大人におもちゃはもういらないのと突き放された。
ただただ純粋に愛していたジョアンに利用され裏切られたのだ。
心をズタズタにされたマットは怒りに任せジョアンに暴行し首を絞め殺してしまった。
愛と憎しみは紙一重とはこのことだなと。


泣き崩れるマットを見て、本当はジョアンを殺したくなかったと後悔しているように感じた。
利用されていたとしても初恋の人でもあって、自分を愛してくれたたった一人の姉だったから。


ジョアンにおもちゃはいらないと言われてから殺してしまうところまでのチャンソンの演技がすごく切なくて、思い出すだけでも涙が出てくる。


ノーネームからマットの全てを教えてもらった先生は、沈黙を守ってもらわなければなとノーネームに殺されそうになるがぎりぎりのところでベルを3回鳴らし、催眠治療を終わらせる。


こういった催眠治療を何度も繰り返していく。
今回ミュージカルで描かれた物語はその催眠治療を行った内の少しにしか過ぎない。
公演もベルが3回鳴り、また面接に来たところで終わる。
先生はいつかマットを救うことが出来るのだろうか…





物語が物語だけに、観てるだけでも終わった後のしんどさが結構あって、これを5日間演じ続けるチャンソンは想像できないくらい精神的にしんどいだろうなと。


今回のは無理してでも観に来る価値は大いにある、すごく面白いミュージカルでしたし、ジミーのような恐い役、ウッディのようなかわいい子供の役、アンのような女の子の役、ノーネームのような冷静沈着な役はここでしか観れなかったなと思います。


同じ内容、同じセリフなのに、細かい部分ですが毎回違いました。
今日はここが違かったねと友達と話をするのも楽しかったです。
回を重ねるごとにチャンソンの迫力や感情の表現力が増していきましたし、共演者が変わるとチャンソンの対応というか演じ方も変わりました。


初めて見るチャンソンばかりで戸惑うくらいでしたし、まだまだ知らない魅力がいっぱいで、どんどん成長していっているんだと感じました。


もしまたミュージカルをやる機会があれば是非たくさんの方に観に行ってもらいたいです。



かなり長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。